最終更新日 2021年4月1日
【Q】長岡造形大学の設立の経緯について教えてください。
【A】 「子どもを地元で学ばせたい」という保護者の切実な願いと、「デザイン力と商品開発力を強化したい」という地元産業界からの強い要請があり、大学設置の機運が醸成されました。
平成6年当時、国が政令指定都市以外の市に「市立大学」の新設を認めていなかったため、長岡市が土地と建物を整備し、学校法人が運営を行う「公設民営」方式の大学として平成6年4月に開学しました。
【Q】公立大学法人制度とは何ですか。
【A】 平成16年4月に施行された「地方独立行政法人」に定められており、地方公共団体における「大学改革」の取り組みの一環として、行政による直営から、民間的手法を取り入れながら、自立的、弾力的、効率的な運営に転換するための制度です。
【Q】公立大学法人化の対象となる大学を教えてください。
【A】 文部科学省と総務省は、公立大学法人制度の運用上、公立大学法人化できる大学は原則、都道府県などの地方公共団体が設置した公立大学とし、「公設民営」方式の大学は特別に認める方針をとっています。
制度上では、私立大学を対象としないものではありませんが、国は現在、純粋な私立大学の公立大学法人化については、想定していない状況です。
仮に議論の俎上にあがったとしても、結論が出るまでには相当の時間を要するとしています。
【参考:設置経費の全額を地方自治体が負担した公設民営大学】
大学名 | 開学年 | 公立大学法人化 |
---|---|---|
東北芸術工科大学(山形県山形市) | 平成4年 | |
長岡造形大学(新潟県長岡市) | 平成6年 | |
名桜大学(沖縄県名護市) | 平成6年 | 平成22年 |
高知工科大学(高知県香美市) | 平成9年 | 平成21年 |
静岡文化芸術大学(静岡県浜松市) | 平成12年 | 平成22年 |
東北公益文科大学(山形県酒田市) | 平成13年 | |
鳥取環境大学(鳥取県鳥取市) | 平成13年 | 平成24年 |
【Q】なぜ今、公立大学法人化が必要なのですか。
【A】 公立大学法人制度の運用上、公設民営大学の公立大学法人化については特別に認められており、全国で7大学あるうちの4大学が既に移行しています。長岡造形大学についても、公立大学法人化の対象大学となっています。
また、長岡造形大学公立大学法人化検討委員会(以下、検討委員会)の報告でも、全国の大学が「少子化時代の大学間競争」という難題に直面している今、長岡造形大学は抜本的な大学改革に取り組むことが急務であり、大学改革を加速させる有効な手段として、公立大学法人制度の活用が望ましいとされています。
【Q】公立大学法人化のメリット・デメリットは何ですか。
【A】 公立大学法人化した場合、地方交付税により大学の設置運営に必要とする標準的な経費が措置されます。これにより、授業料は公立大学と同様の水準となるため、学生と保護者の授業料に対する負担が軽減されます。それは保護者のニーズを満たすなど、大学改革の徹底的な取り組みと合わさり、大学の魅力をさらに向上させる要素となりえます。
魅力ある大学には、全国の受験生が入学志願するため、受験生間に厳しい競争が生じ、「学生の質」と「教育研究の質」を一層向上させ、今まで以上に大学の魅力を高めるサイクルを形成します。
さらに、このサイクルは「学生数の確保」と、それによる「大学経営の安定化」を導くとともに、より良い地域貢献活動の実行と、最終的には市民の利益として還元される好循環サイクルを生み出すことも考えられます。
【Q】公立大学法人化された場合に長岡市の負担は生じるのですか。
【A】 検討委員会の公立大学法人化後の経営シミュレーションでは、大学の魅力を高めるため、教育研究の経費の増額や、授業料を軽減する試算においても、引き続き、将来に備えた「資産の蓄積」や、さらなる地域貢献活動などに対応できる収支差額(運営利益)を確保できる結果となっています。
また、検討委員会は、国の支援を超える負担を長岡市に求めないことを厳格に求めています。
【Q】公立大学法人化は、「民から官へ」ではないのですか。
【A】 公立大学法人制度は、そもそも行政による直営から、民間的手法を取り入れながら、自立的、弾力的、効率的な運営に転換するための制度設計のため、「民から官へ」ではなく、「民」と「官」の長所を組み合わせたものと言えます。
【Q】大学運営に対するチェック機能はどうなるのですか。
【A】 公立大学法人制度は、大学運営における成果を厳格に求める制度になっています。
そのため、大学での教育研究、地域貢献活動、経営状況は、第三者評価機関、経営審議機関、教育審議機関、市議会により客観的に審議・評価され、改善項目があれば是正指導されるため、今まで以上にチェック機能が強化されることになります。
また、会計基準が、学校法人会計から企業会計的な手法による公立大学法人会計に変わるため、会計の透明性も一層確保されます。
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