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下水道整備の歴史(長岡地域)

最終更新日 2017年4月1日

(1)黎明期【第1期事業(大正~戦前)】

 本市は大正13年1月、全国で7番目に上下水道事業を同時に着手し、昭和2年3月に竣工しました。工事期間としては3年2ヶ月の短期間でしたが、当時としては画期的な事業で高く評価されています。
 第1期下水道事業は、本市出身の工学博士 鶴見一之氏(1881~1957)により大正11年に設計され、長岡駅を中心とする地域(238ha)で実施されました。当時は雨水と汚水を同じ管で流す合流式でしたが、将来、遮集管を布設して終末処理場に接続できるように9つの小さな排水区に分けて柿川などへ排水していました。

(2)終末処理場の建設と認可区域の拡大【第2期、第3期事業(戦後~昭和50年代)】

 戦後、第2期下水道事業を昭和35年に川東地区で再開し、旧市街地99haの整備を進めました。昭和45年に下水道法の一部改正が行われ、公共下水道は終末処理施設を有するものと定義されたことを受け、第3期事業として終末処理場(第一下水処理場)の建設と認可区域の拡大(分流式の採用)を含めた計画の変更を行い、合わせて受益者負担制度を取り入れ昭和46年に着手しました。終末処理場は日本下水道事業センター(現日本下水道事業団)の委託第1号として建設され、昭和51年9月に供用を開始しました。

「第一下水処理場(長岡中央浄化センター)」の画像
【第一下水処理場(長岡中央浄化センター)】
昭和48年から総事業費43億円余りを投じて寿3丁目に建設

(3)川西地区の着手~汚水事業の概成へ【第4期事業以降(昭和50年代~)】

 川西地区では第4期事業として昭和52年に市単独で着手しましたが、その後新潟県の信濃川下流流域下水道に合わせて下水道整備を進め、昭和60年7月に処理を開始しています。その後、平成2年に「市民皆下水道」を目指した全市的な下水道整備基本計画を策定し、第5期事業として市街化区域はもとより、市街化調整区域においても、下水道整備を積極的に推進してきました。その結果、平成15年度末に汚水事業は概成を迎えました。

(4)度重なる大災害を乗り越えて(平成16年~)

 平成16年7月13日の水害では富曽亀山本処理分区などで下水道施設が被災し被害額は約6,000万円に上りました。同年10月23日午後5時56分発生の新潟県中越大震災(震度6弱)では、川東・川西地区の山沿いを中心に盛土箇所の崩壊、マンホールの浮上など下水道施設に甚大な被害を受けました。激甚指定を受け被害額は約62億円におよび県内外29団体から支援をいただき、平成19年度で復旧が完了しました。3年後の平成19年7月16日10時13分発生の新潟県中越沖地震(震度5弱)でも、川西地区の山沿いを中心に下水道施設の被害を受けました。被害額は、約5億円におよびましたが、平成20年度で復旧が完了しました。

「マンホールの浮上」の画像
【マンホールの浮上】
地震による液状化が原因と考えられるマンホールの浮上

長岡市下水道ゆかりの人物

【長谷川 泰(はせがわ たい)(1842~1912)】

「50歳頃の肖像画」の画像
50歳頃の肖像画

 明治33年に最初の下水道法が制定されました。この制定の立役者は、長岡市出身で、当時、内務省衛生局長の長谷川泰というお医者さんです。私立の医学校「済生学舎」を設立して、明治時代のお医者さんの大半を育てた教育者、政治家でもありました。この学校は廃校となりましたが、日本医科大学や東京医科大学にその精神が受け継がれました。また「済生学舎」で医学を学んだ者の中に、野口英世博士や東京女子医科大学を創設した吉岡弥生などがいます。

【鶴見 一之(つるみ かずゆき)(1881~1957)】

「仙台高等工業校長時代」の画像
仙台高等工業校長時代

 長岡地域の第1期下水道事業設計者の鶴見一之は、長岡市出身の教育者であり、東京大学を卒業の後、明治41年に仙台高等工業学校の教授になりました。衛生工学の研究のため、明治43年から大正2年まで欧米に留学し、衛生工学に関した著書「下水道」を大正6年に出版しました。特に上下水道の研究を専門として、東京大学から昭和7年に工学博士の学位を受けました。昭和9年には仙台高等工業学校長となり、多くの学生を指導しました。

このページの担当

下水道課
〒940-0062 新潟県長岡市大手通2-2-6(市民センター)
TEL:0258-39-2235  FAX:0258-39-2266

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