○長岡市自助・共助の意識を高め市民のいのちを守る条例

令和6年9月24日

条例第35号

長岡市はこれまで、戦災や自然災害などの多くの困難に直面してきた。とりわけ、平成16年の中越大震災及び7.13水害は、市民の生命、財産等に多大な被害をもたらした。

私たち長岡市民は、そのたびに、市民が自ら行動する力、市民と市民とが支え合う力及び市民と行政の垣根を越えた伝統的な市民協働の力で、不死鳥のように困難を乗り越え、復興を果たしてきた。

長期にわたる災害復興の道のりにおいて、都市基盤の復旧や被災者への支援など、行政による「公助」が大きな力となった。

そして同時に、私たちは、発災後の避難行動や避難生活において、自分の命を自分で守る「自助」と、身近にいる人どうしが助け合う「共助」が重要であるという教訓を得た。

近年、頻発する自然災害は、地球温暖化による異常気象等の影響により、激甚化の傾向にあり、多くの尊い命が奪われている。私たちは、災害の脅威からかけがえのない命を守るため、これまでの経験から得た教訓を市民一人ひとりが改めて心に刻み、未来に伝承することで、将来の防災・減災にいかしていくことが必要である。

中越大震災及び7.13水害から20年の節目を迎えるに当たり、ここに、市民の自助及び共助の意識を高め、災害からいのちを守るため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、災害対策における市民の自助及び共助の理念を明らかにすることにより、その意識を高めるとともに、市民による自発的な防災・減災のための活動の促進を図り、もって市民のいのちを守ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 災害 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第2条第1号に規定する災害をいう。

(2) 災害時 災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合をいう。

(3) 防災・減災 災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図り、並びに災害による被害を最小限にとどめることをいう。

(4) 市民 市内に在住し、又は市内へ通勤し、若しくは通学する者をいう。

(基本理念)

第3条 災害対策は、次に掲げる理念を基本として行われなければならない。

(1) 市民は、それぞれ自らの命を自らで守るという自助の理念

(2) 市民は、互いに自助を支え、その地域において安全確保のため互いに助け合うという共助の理念

(3) 市は、市民による自助及び共助を支え、市民の安全を確保するという公助の理念

(市民の自助)

第4条 市民は、自助の理念に基づき、平時から災害時に備える意識を高めるとともに、防災・減災に関する情報収集に努めるものとする。

2 市民は、自助の理念に基づき、避難訓練の実施、災害時における避難経路及び避難場所の確認その他の防災・減災のための自主的な活動に努めるものとする。

(市民の共助)

第5条 市民は、共助の理念に基づき、避難、負傷者の救護、被害拡大の防止等について相互に協力するため、日頃から関係づくりに努めるものとする。

(地域間の共助)

第6条 市民は、本市が山間部から海岸部に至る広大な市域を有することを踏まえ、その居住し、又は滞在する地域の特性に応じた災害に対して備えるほか、災害時には、地域間において相互に助け合うよう努めるものとする。

(多様性の理解と尊重)

第7条 市民は、他者が災害時に抱える困難、必要とする支援等について、一人ひとりで異なる多様性を理解し合うとともに、互いの立場を尊重し、共助に努めるものとする。

(市の役割)

第8条 市は、自助及び共助の理念の重要性を啓発するとともに、その推進のための体制整備のほか、防災・減災に関する情報提供を行い、市民による自発的な防災・減災のための活動の促進に努めるものとする。

この条例は、令和6年10月23日から施行する。

長岡市自助・共助の意識を高め市民のいのちを守る条例

令和6年9月24日 条例第35号

(令和6年10月23日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 市長部局/第6節 防災・災害対策
沿革情報
令和6年9月24日 条例第35号