○長岡市スポーツ推進条例
平成30年6月26日
条例第49号
スポーツは、年齢、性別及び障害の有無にかかわらず、全ての市民がこれを通じて心身の健全な発達、健康の維持増進、達成感や爽快感といった精神的充足感の獲得などを実現し、健康で豊かな生活を営む上で、多大な恩恵を享受することができる、全ての市民に共通で身近な文化である。
また、スポーツは、人と人及び地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力を醸成するほか、地域経済の発展にも寄与するなど、活力ある地域社会の実現に大きな役割を果たすものである。
一方、近年、日常生活における多忙感、少子化や指導者の不足などによる学校における部活動の縮小、雪国特有の気候による冬期間における活動場所の縮小などの要因により、本市においてもスポーツを「する人」と「しない人」の二極化が進行している。
このような本市のスポーツを取り巻く現状並びにスポーツが有する多面的な役割、意義及び価値に鑑みれば、いつでも・どこでも・だれもが・いつまでも自らの興味、関心、適性及び健康状態に応じてスポーツに親しむことができる環境づくりが期待される。
スポーツは、子どもの健やかな成長の基礎となるとともに、これに親しむことで自らの生活の質の向上及び健康寿命の延伸が期待され、市民が豊かな人生を実現する契機となる。
さらに、次代を担う競技選手の育成と活躍は市民の夢と感動につながり、地域におけるスポーツは市民が生涯にわたって身近な場所でスポーツを楽しむための基盤となる。
そして、トップアスリートの技術に触れることやスポーツ観光の推進は、市民のスポーツの多様な楽しみ方を生み出すとともに、地域の活性化につながるものである。
本市は、スポーツが有するこれらの大きな力を信じ、市民、スポーツ関連団体、教育機関等及び事業者との協働の下、スポーツを通じた全ての市民の健康で充実した生活と、スポーツによるまちづくりの実現を目指して、スポーツの推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、ここに長岡市スポーツ推進条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、本市におけるスポーツの推進に関する基本理念を定め、市の責務及び市民等の役割を明らかにするとともに、スポーツの推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、スポーツの推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって市民の心身の健全な発達及び活力に満ちた地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 「スポーツ」 運動競技、レクリエーション活動その他の身体活動、運動競技等を観覧する活動、運動競技等に係るボランティア活動その他これらの活動に関与する活動であって、心身の健全な発達又は生きがいのある豊かな生活の実現を目的として行われるものをいう。
(2) スポーツ関連団体 市内においてスポーツに関連する活動を行う法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)をいう。
(3) 教育機関等 学校その他の教育機関及び保育所その他の保育を目的とする機関をいう。
(4) 事業者 市内において事業を営む全ての者(スポーツ関連団体及び教育機関等を除く。)をいう。
(基本理念)
第3条 スポーツの推進は、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことが市民の権利であることに鑑み、そのスポーツを行う自由を尊重しつつ、全ての市民が生涯にわたり、あらゆる機会とあらゆる場所において、自主的かつ自律的に、その適性及び健康状態に応じて行うことができるようにすることを旨として、行わなければならない。
2 スポーツの推進は、スポーツが子どもの体力を向上させ、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培う等豊かな人格の形成に大きく寄与するものであることに鑑み、次代を担う子どもの成長におけるスポーツの重要性に配慮しつつ行わなければならない。
3 スポーツの推進は、地域の一体感及び活力の醸成、地域社会の再生及び地域経済の発展への寄与等スポーツが有する多面的な役割、意義及び価値を踏まえ、スポーツをまちづくりに最大限に生かすよう行わなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に規定する基本理念にのっとり、スポーツの推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施するものとする。
2 市は、スポーツの推進に関する施策を実施するに当たっては、前条に規定する基本理念の実現を図るため、市民、スポーツ関連団体、教育機関等及び事業者と相互に連携を図りながら協働することを旨とするものとする。
3 市は、スポーツの推進に関する施策を実施するに当たっては、必要に応じて当該施策に関連する執行機関相互間又は執行機関の内部組織間の横断的な連携協力を図り、この条例の目的及び基本理念を真に実現できるよう努めるものとする。
(市民等の役割)
第5条 市民、スポーツ関連団体及び教育機関等は、自らの意思に基づくスポーツの推進の担い手として、前条第2項の規定の趣旨を踏まえ、スポーツの推進に関する施策に対する理解及び関心を深めるよう努めるものとする。
2 事業者は、地域社会を構成する一員として、前条第2項の規定の趣旨を踏まえ、スポーツの推進に関する施策に対する理解及び関心を深めるよう努めるものとする。
(スポーツ推進計画の策定)
第6条 市は、スポーツの推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、スポーツ基本法(平成23年法律第78号)第10条第1項に規定する地方スポーツ推進計画を定めるものとする。
(施策の基本方針)
第7条 市は、スポーツの推進に関する施策を実施するに当たっては、次に掲げる事項を基本とするものとする。
(1) 家庭、教育機関等及び地域における活動の相互の連携の下、スポーツを通じて子どもが成長できる環境の充実を図ること。
(2) 全ての市民がそれぞれの興味又は関心に応じてスポーツに親しむことのできる機会の充実を図ること。
(3) 本市のスポーツ選手の競技水準の向上を図ること。
(4) スポーツを支えるための地域主体の組織、スポーツの指導者その他スポーツの推進に寄与する人材及びスポーツ施設の重要性の認識の下、市民が身近な場所でスポーツを楽しみ、又は支えることのできる環境の充実を図ること。
(5) 大規模な競技会、プロスポーツその他の高度な水準のスポーツに市民が触れることのできる機会の充実及びスポーツを通じた交流人口の増加を図ること。
(スポーツの推進のための期間)
第8条 市は、この条例の目的及び基本理念の実現を図るため、期間を定めて重点的かつ効果的にスポーツの推進を図るための行事その他の取組を実施することができる。
(委任)
第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成30年10月8日から施行する。