○長岡市行政手続条例
平成8年3月29日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 申請に対する処分(第5条―第11条)
第3章 不利益処分
第1節 通則(第12条―第14条)
第2節 聴聞(第15条)
第3節 弁明の機会の付与(第16条)
第4章 行政指導(第17条―第21条の2)
第4章の2 処分等の求め(第21条の3)
第5章 届出(第22条)
第6章 補則(第23条)
附則
第1章 総則
(目的等)
第1条 この条例は、処分、行政指導及び届出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が市民にとって明らかであることをいう。)の向上を図り、もって市民の権利利益の保護に資することを目的とする。
2 処分、行政指導及び届出に関する手続に関しこの条例に規定する事項について、他の条例に特別の定めがある場合は、その定めるところによる。
(1) 条例等 市の条例及び市の執行機関の規則(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第2項に規定する規程を含む。以下同じ。)並びに同法第252条の17の2第1項又は地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第55条第1項の規定に基づき新潟県が制定した事務処理の特例に関する条例により市が処理することとされた事務(第21条の2第1項において「特例事務」という。)について規定する新潟県の条例及び新潟県の執行機関の規則をいう。
(2) 法令 法律及び法律に基づく命令(告示を含む。)をいう。
(3) 処分 市の行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。
(4) 申請 条例等に基づき、市の行政庁の許可、認可その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して市の行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。
(5) 不利益処分 市の行政庁が、条例等に基づき、特定の者を名宛人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。
ア 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために条例等において必要とされている手続としての処分
イ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名宛人としてされる処分
ウ 名宛人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
エ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの
(6) 市の機関 市長その他の執行機関、水道局若しくは消防本部若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法令若しくは条例等に基づき独立に権限を行使することを認められたものをいう。
(7) 行政指導 市の機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって、処分に該当しないものをいう。
(8) 届出 市の行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、条例等により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の条例等における効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。
(1) 地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて徴税吏員(他の法令の規定に基づいて徴税吏員の職務を行う者を含む。)がする行政指導
(2) 学校において、教育の目的を達成するために、生徒若しくは児童又はこれらの保護者に対してされる処分及び行政指導
(3) 市立保育園において、保育の目的を達成するために、幼児若しくは乳児又はこれらの保護者に対してされる行政指導
(4) 市の職員又は市の職員であった者に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導
(5) 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
(6) 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令又は条例等の規定に基づいてされる行政指導
(7) 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益に関わる事象が発生し、又は発生する可能性のある現場において、これらの公益を確保するために行使すべき権限を法律又は条例上直接に与えられた職員によってされる処分及び行政指導
(8) 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導
(9) 審査請求その他の不服申立てに対する市の行政庁の裁決その他の処分の手続又は第3章若しくは行政手続法(平成5年法律第88号。第15条及び第16条において「法」という。)第3章に規定する聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令又は条例等に基づいてされる処分及び行政指導
(市の機関等に対する行政指導等の適用除外)
第4条 市の機関又は他の地方公共団体若しくはその機関に対する行政指導及びこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この条例の規定は、適用しない。
第2章 申請に対する処分
(審査基準)
第5条 市の行政庁は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(以下「審査基準」という。)を定めるものとする。
2 市の行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、当該許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
3 市の行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、条例等により当該申請の提出先とされている機関の事務所に審査基準を備え付け、公にしておかなければならない。
(標準処理期間)
第6条 市の行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所に備え付け、公にしておかなければならない。
(申請に対する審査及び応答)
第7条 市の行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の条例等に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下この章において「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。
(理由の提示)
第8条 市の行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、条例等に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
(情報の提供)
第9条 市の行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。
2 市の行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。
(公聴会の開催等)
第10条 市の行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該条例等において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。
(複数の市の行政庁が関与する処分)
第11条 市の行政庁は、申請の処理をするに当たり、他の市の行政庁において同一の申請者からされた関連する申請が審査中であることをもって自らすべき許認可等をするかどうかについての審査又は判断をことさらに遅延させるようなことをしてはならない。
2 一の申請又は同一の申請者からされた相互に関連する複数の申請に対する処分について複数の市の行政庁が関与する場合においては、当該複数の市の行政庁は、必要に応じ、相互に連絡をとり、当該申請者からの説明の聴取を共同して行う等により審査の促進に努めるものとする。
第3章 不利益処分
第1節 通則
(処分基準)
第12条 市の行政庁は、不利益処分をするかどうか、又はどのような不利益処分とするかについてその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(次項において「処分基準」という。)を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。
2 市の行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、当該不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
(1) 次のいずれかに該当するとき 聴聞
ア 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。
イ アに規定するもののほか、名宛人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。
(1) 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。
(2) 条例等において必要とされる資格がなかったこと、又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。
(3) 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が条例等において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。
(4) 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。
(5) 申請又は届出をする場合に提出することを義務付けられている書類について、条例等の規定に従い、当該書類が条例等に定められている要件に適合することとなるようその訂正を命ずる処分その他の不利益処分であって、その性質上それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名宛人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものをしようとするとき。
(不利益処分の理由の提示)
第14条 市の行政庁は、不利益処分をする場合には、その名宛人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
3 不利益処分を書面でするときは、前2項の理由は、書面により示さなければならない。
第2節 聴聞
第3節 弁明の機会の付与
(弁明の機会の付与の方式、手続等)
第16条 弁明の機会の付与の方式、手続等は、法第3章第3節の規定の例による。
第4章 行政指導
(行政指導の一般原則)
第17条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該市の機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。
2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
(申請に関連する行政指導)
第18条 申請(法令に基づくものを含む。以下この条において同じ。)の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請をした者が当該行政指導に従う意思がない旨を明確に表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請をした者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。
2 前項の規定は、申請をした者が行政指導に従わないことにより公共の利益に著しい障害を生ずるおそれがあるときに、当該行政指導に携わる者が当該行政指導を継続することを妨げるものではない。
(許認可等の権限に関連する行政指導)
第19条 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する市の機関が当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨をことさらに示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。
(行政指導の方式)
第20条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。
2 行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、市の機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して、次に掲げる事項を示さなければならない。
(1) 当該権限を行使し得る根拠となる法令又は条例等の条項
(2) 前号の条項に規定する要件
(3) 当該権限の行使が前号の要件に適合する理由
3 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前2項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
4 前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。
(1) 相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの
(2) 既に文書(前項の書面を含む。)によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるもの
(複数の者を対象とする行政指導)
第21条 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、市の機関は、あらかじめ、事案に応じ、これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。
2 前項の規定による申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
(1) 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
(2) 当該行政指導の内容
(3) 当該行政指導がその根拠とする法律又は条例の条項
(4) 前号の条項に規定する要件
(5) 当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料する理由
(6) その他参考となる事項
3 当該市の機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、当該行政指導が当該法律又は条例に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならない。
第4章の2 処分等の求め
(処分等の求め)
第21条の3 何人も、法令又は条例等に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分(その根拠となる規定が条例等に置かれているものに限る。)又は行政指導(その根拠となる規定が法律又は条例に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する市の行政庁又は当該行政指導をする権限を有する市の機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
2 前項の規定による申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
(1) 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
(2) 法令又は条例等に違反する事実の内容
(3) 当該処分又は行政指導の内容
(4) 当該処分の根拠となる条例等又は当該行政指導の根拠となる法律若しくは条例
(5) 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
(6) その他参考となる事項
3 当該市の行政庁又は市の機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。
第5章 届出
(届出)
第22条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の条例等に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が条例等により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。
第6章 補則
(申込み等の行為に関する措置)
第23条 市の機関は、申請に該当しない申込み等の行為(条例等に基づき、金品の給付、サービスの提供等を求める行為で、当該行為に対して市の機関が諾否の応答をすることとされているものをいう。)に対する諾否の決定をする場合においては、第2章の規定の例により、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成8年7月1日から施行する。
(長岡市市税条例の一部改正)
2 長岡市市税条例(昭和29年長岡市告示第51号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成12年3月28日条例第2号)
この条例は、平成12年4月1日から施行する。
附則(平成13年9月25日条例第27号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成14年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
附則(平成27年3月31日条例第4号)
(施行期日)
1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。
(長岡市市税条例の一部改正)
2 長岡市市税条例(昭和29年長岡市告示第51号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成28年3月31日条例第6号)
この条例は、平成28年4月1日から施行する。