寄り添い、切れ目なく支える

長岡の子育て

 核家族化の進行やデジタル化、価値観の多様化など、目まぐるしく社会状況が変わる現代。先が見通しにくい世の中でも、 希望する誰もが子どもを持ち、安心して子育てができて、子どもたちが笑顔で暮らせる社会の実現が求められています。
心地よく子育てができるまちへ
 思うようにいかない、自分の時間がとれない、ついイライラしてしまう――子育てをしていると不安や疲れを感じることもあるのではないでしょうか。 市では、そんな保護者の気持ちに寄り添い、切れ目なく支えるため、さまざまな取り組みを展開。 「育つよろこび 育てる幸せ みんなで子育てするまち 長岡」を基本理念に、安心して子どもを産み育てられるよう、支援の充実を図っています。
 子育て中の人や子どもを持ちたい人、子どもとの関わりが少ない人も。市民のみなさんに知ってほしい、長岡の子育て支援を紹介します。

赤ちゃんとの
健やかな暮らしをサポート

 市では、妊娠期から育児まで切れ目なく支える「長岡版ネウボラ」の体制を整えています。出産・育児の悩みや知りたいことは人それぞれ。 特に、産前産後は心身が不安定になり、ストレスが強い時期です。産後ケアコーディネーターや保健師が一人ひとりのニーズに合わせて必要な支援を調整し、育児をサポートします。
【問】子ども・子育て課☎39・2300


 産後1年くらいまでの保護者と赤ちゃんが対象。話をしたり、ゆっくりくつろいだりしながら、体を休めることができます。


 主に0歳児とお母さんを対象に、子どもの遊ばせ方や声の掛け方など、具体的な育児方法や関わり方を学びます。

 家庭やお母さん自身の状況などを聞き、情報提供や関係機関と連携したサポートを行います。人によっては、 自分の親やパートナーにも言えない悩みや不安を抱えていることも。その思いを吐き出して気持ちが軽くなってもらえるよう、 一人ひとりの波長に合わせて、話しやすい雰囲気をつくることを大切にしています。その子の子育ては一回限り。 だからこそ、悩むよりも子どもの成長を楽しんでもらいたいです。


 子育てを支援するために活動する母子保健推進員が、子どもを預かり見守る中で、母親同士の交流と子育ての相談ができます。


 安心して赤ちゃんを迎えられるように、沐浴やおむつ交換など、妊娠中に知っておきたい育児のポイントを紹介しています。


子どもや保護者が
安心できる居場所づくり

 子どもたちが自由に遊べたり、保護者が子どもと一緒に気軽に出掛けられたりする場所を整備。 多様な交流を生み、孤立や孤独を防ぎます。
子育ての駅おぐに・たんぽぽ
子育ての駅よいた・にじの子広場
市内初の子育ての駅・てくてく。今年で開館15周年を迎え、
来館者200万人を達成しました(7月18日)
子育ての駅・ぐんぐん
【問】子ども・子育て課☎39・2300
 天気を気にせず遊べるだけでなく、保育士や子育てコンシェルジュが常駐し、気軽に子育ての相談ができる施設です。 市内13カ所にあり、年間約19万人が利用。季節に合わせたイベントなど、さまざまな催しも行っています。14ページへ

利用者に聞きました!子育ての駅お気に入りポイント



【問】子ども・子育て課☎39・2393
 地域の子どもたちが遊んだり、勉強をしたりと、安全・安心に過ごせる放課後の居場所です。
【問】保育課☎39・2219
 親子が一緒に遊んだり、保護者同士が交流を深めたりしています。市内に24カ所あり、専門のスタッフによる育児の相談や地域の育児情報の提供などを実施。妊婦やその家族も利用できます。
詳しくはこちら

令和7年度から児童館・児童クラブは
もっと便利で使いやすく

 運営を民間事業者に委託し、市内全ての児童館・児童クラブのサービスを統一。現在の体制を引き継ぐことを基本としつつ、民間のノウハウを活かし、利便性と質の向上を目指します。
連絡アプリを導入
 子どもの入退館時間をアプリで通知。また、利用予定の登録や変更がスマートフォンからできるようになります。

延長利用料は1カ月ごとの後払いに
 事前購入かつ払い戻しができない延長チケットを廃止。連絡アプリで利用実績を管理し、1カ月分まとめて支払います。

延長利用ができる地域を拡大
 全ての地域で午後7時までの延長利用ができるようになります。



取り組みは地域でも――

子ども食堂
Happy KITCHEN
はぴ吉 代表
長谷川 奈々(なな)さん

◇開催日時
  毎月第3土曜日正午から
◇会場
 かきのみ園体育館(柿町115)
◇参加費
 大人200円、高校生以下100円


誰もが垣根なく・交流できる場に
 会場では、食事の提供だけでなく、子どもたちが遊べるスペースも設けています。子どもたちの元気な姿に、地域の大人たちもエネルギーをもらっていると感じています。
 誰でも参加してもらえるよう、あえて名前に「子ども食堂」の言葉を入れていません。いろいろな人たちが、垣根なく交流できるような場所にしたいという思いで活動しています。
 ここに来たら年齢に関係なくつながりが生まれ、自分の世界が広がる――そんな空間をみなさんと一緒につくっていきたいです。
 無料または低価格で食事を提供する子ども食堂は、地域住民が主体となって運営。住民たちの交流や子どもたちの見守りの場になっています。
子ども食堂をやってみたい人、取り組みに
 協力したい人はご相談ください
【問】長岡子ども・地域食堂ネットワーク・佐竹さん
☎33・6502(蔵王のもりこども園内)

子ども食堂の活動を応援します
立ち上げや運営の費用を助成します。
【問】子ども・子育て課☎39・2300
詳しくはこちら



ありのままを大切に
子どもの個性に合わせた支援

 近年、配慮を要する子や不登校の小・中学生が全国的に増加しており、長岡市でも同様の傾向にあります。 市は関係機関と協力し、一人ひとりの個性や状況に合わせた支援を展開。 子どもたちの生きづらさを軽減し、将来の自立につなげます。
【問】こども発達相談室☎36・3727
専門職チームが保育園や学校を訪問
 臨床心理士や保健師などの専門職が、チームで市内の保育施設や学校を訪問。子どもの普段の様子を見て、早期に発達特性を理解し、 適切な支援や課題の改善に向けた取り組みにつなげます。チームには特別支援教育などの専門性の高い教員経験者も参加。それぞれの強みを活かし、 乳幼児期から就学後まで切れ目なくサポートします。
長岡赤十字病院小児科・田中医師によると…
 子どもと関わる時間が長い保育者や学校の先生が、訪問支援により一人ひとりの特性を理解することで、 子どもとより良い関係になると期待。子どものできることを増やしたり、 苦手を克服したりすることにつながり、子どもの自信を育てます。

市の発達支援の
アドバイザー

長岡赤十字病院小児科
田中 篤(あつし) 医師


 何かトラブルが起きたとき、発達の特性を理解せず、その子の性格や人間性の問題にして注意したり叱ったりすると、 子どもの心は傷ついていきます。自己評価が下がるだけでなく、別の障害の発症につながることも。 それってこれからの人生に大きく影響しますよね。家庭や社会全体で、そうなることを防ぐことが重要だと思います。

その子を理解し続けようとすることが何より大切

 発達支援というと「自閉症の子にはこう接する」などとマニュアル的な対応になりがちですが、 みんなが同じ性格や人間性を持っているわけではありません。子どもたち一人ひとりが豊かな個性を持っています。 周囲の大人が丹念に関わりながら、その子を理解し続けようとすることが大切です。また、私は保護者との信頼関係も大事にしています。 保護者と良い関係が築けなければ支援は進みません。子どもにとってかけがえのない存在である保護者の気持ちを尊重しながら、一緒に子どもの成長を見守っていきたいですね。


【問】学校教育課☎39・2249
フリースクールや自宅学習も出席扱いに
 学校に登校できなくても、多様な方法で学びを進める児童・生徒は多くいます。市では今年度、民間のフリースクールや自宅学習も一定の要件を満たせば、 学校に通っていなくても出席扱いとするガイドラインを策定しました。学校外での努力を評価し、子どもたちの自信を育むことで、社会的自立を後押しします。


子どもたちの幸せを願って

 市内には、子育てを応援する人がたくさんいます。みんなが子どもたちの幸せを願い、保護者には、 子どもの成長に喜びを感じながら子育てをしてほしいと思っています。どうぞ遠慮なく頼って、 甘えてください。つらいことも、うれしいことも、みんなで分かち合いながら、一緒に子育てをしませんか。 子どもも保護者も、安心して笑顔で過ごせるまちを目指し、長岡市はこれからも子育てをするみなさんを支えていきます。