「解体したいけど費用が高すぎる」「相続の協議が進まずそのままに」―。少子高齢化や核家族化を背景に、全国で空き家が急増しています。空き家問題の現状を知り、利活用や適切な管理の必要性を今から考えましょう。 【問】都市政策課 ☎ 39・2265
2300の空き家 「状態悪い」3割超
空き家が放置され続けると、建物の倒壊や雑草の繁茂などで、周囲に悪影響を及ぼします。 令和2年度の調査で、年間を通して使われていない一戸建ての空き家が市内に2、300件あることを確認。5年前の調査と比べて、7%増加しました。そのうち管理状況が悪いと認められた空き家は、3割を超えます。 こうした状況を踏まえ、平成29年度に策定した「空家等対策計画」を3月に改定しました。利用目的のない空き家や管理不全となっている空き家をこれ以上増やさないよう、対策を強化していきます。
問題は年々複雑に。 今できる準備が大切
件数の増加だけでなく、市に寄せられる相談内容も年々複雑に。相続で急に空き家の所有者になるケースから、高額な撤去費用が掛かり解決が難しいものまでさまざまです。中には放置せず、すぐに対応していれば解決できたものも多数あります。 空き家問題は、他人事ではありません。家族・親戚で資産の点検や見直しなど相続の計画を立て、今から家の将来に向き合いましょう。
○管理に労力と時間がかかる
○遠い親戚の空き家を相続してしまい、思い入れがない
○相続人の間で協議が進まず、手を付けられない
○相談先や解決方法がわからない
○自分が所有していることに気付いてさえいなかった
○高額な費用が掛かるため、解体できない など
空き家の管理は所有者の責任です
空き家の問題は、さまざまなことが絡み合い、一筋縄ではいかない場合が多いです。対応が遅れ、長い年月をかけても解決できないケースを見てきました。特に相続などで急に空き家の所有者となった場合、資産の活用方法などを事前に考えていたかどうかが事態を大きく左右します。だからこそ、家の将来を早いうちから考え、不安に感じたら、すぐに専門家や市に相談してください。準備が早ければ早いほど、費用も時間もかけずに
解決につながりやすいです。
相談は無料!
市と空き家対策の取り組みで協定を締結している「すまいるらいふサポート」。空き家の活用方法や維持管理、相続手続きなどのさまざまな悩みに専門家が応じます。オンラインでも相談できます。
☎ 86・8637
こんな悩みにも応えます
○空き家を処分する方法が知りたい
○高齢なので、コンパクトな家に住み替えたい
○施設へ入所するので、空いた家をどうすればよいか相談したい
○空き家をリフォームして賃貸したい
家に第二の人生を
売りたい、貸したい空き家の情報を市ホームページ「空き家バンク」で公開中。不動産業者が扱いづらい地域や需要の低い物件なども登録できる場合があります。市外に住む知り合いなど、空き家を探している人にもぜひ空き家バンクをご紹介ください。
パン屋に生まれ変わった空き家
川上さんのご厚意で、空き家バンクで借りた物件をリフォームし、パン屋として使わせてもらっています。たくさんお金が掛かるため、店舗を持つことをあきらめていました。空き家を使わせてもらえたことで、夢をかなえることができました。
セミナーや補助制度の活用も
司法書士会や弁護士会、不動産団体など各専門家が一堂に会する相談会を毎年10月ごろに実施。不安があればいつでも都市政策課の相談窓口をご利用ください。また、空き家のリフォーム補助金などが使いやすくなりました。詳しくは市ホームページで。