最近、よく耳にするDX(デジタルトランスフォーメーション)。ビジネス環境が激しく変化する時代に、デジタル技術の活用で、組織や業務を変革していくことを言います。
市は1月に、国内外で70以上のサービスを展開する楽天グループと、同社が自治体と結ぶ協定では全国初となる、人材育成に重点を置いた包括連携協定を締結。デジタル時代に若者や企業の活力あふれるまちづくりを目指します。「連携のこれから」「DXの必要性」などを探りました。
【問】 産業イノベーション課 ☎ 39-2402
楽天グループ 副社長 執行役員 CIO&CISO 平井 康文さん
全ての事業者がIT企業になる
これからは全ての事業者がIT企業となる時代です。業種にかかわらず、DXを取り入れていかなければなりません。そこで、若者やIT技術を学ぶ学生向けに、会社経営やEC(電子商取引)の実態が学べる講座を長岡で開催します。デジタル時代の多様な働き方に触れることで、起業家精神が養われ、地域の未来を考えるきっかけにもなるはずです。事業者向けには、ふるさと納税の活用セミナーを行い、寄付額の向上や長岡ファンの獲得を目指します。
長岡市長 磯田 達伸
長岡市 |
長岡版イノベーションが加速
デジタル化が急速に進む今、人も産業界も変化に対応していくことが不可欠です。楽天のデジタルに関する豊富な知見には、市外から人を呼べる魅力があります。産学の交流拠点であるNaDeC BASE(ナデックベース)をはじめ、米百俵プレイス ミライエ長岡で行う楽天との取り組みで、学生と企業の交流が活性化することを狙います。人材育成や産業振興、そして先端技術の活用などで時代のニーズに合った価値を創造する「長岡版イノベーション」の加速につなげます。
留学生が居心地の良い場に
NaDeC BASEコミュニケーター/長岡工業高等専門学校5年
曽我 友希乃(ゆきの)さん
NaDeC BASEで利用者のサポート役として活動しています。楽天と市内留学生の新たなコミュニティづくりにも参加します。
留学生の中には、ネットワークづくりが難しいと感じたり、普段の授業以外にも学べる機会を求めたりしている人が大勢います。
将来、留学生たちに「暮らし、仕事の両方で、長岡は居心地が良い」と思ってもらえるよう、力になりたいです。
低コストで、売り上げ2倍
酒類の卸売業 原商(株) 代表取締役
原 和正(かずまさ)さん
楽天市場への出店やふるさと納税返礼品への出品で販路拡大を進めたほか、在庫管理システムなどを導入しました。DXには費用を掛けずに始められるものが多いです。地道な取り組みのおかげで、5年前と比べて売り上げは2倍に増加。昨年、商工会議所のセミナーでDXの事例紹介をした時には、教育分野の人たちからも反響がありました。DXをきっかけに、業種を超えた連携が生まれることに期待しています。
長岡の若者や留学生、事業者のみなさんと
お会いできることを楽しみにしています!
楽天グループ(株) コーポレート情報技術部
マシュー・ジャックマンさん
昨年から県内に移住したマシューさん。楽天が、長岡での人材開発拠点にも位置付けているNaDeC BASEで、市内で学ぶ学生と楽天のグローバル人材とのつなぎ役を担います。
長岡の楽天エンジニアの顔として、今後は学生向けのインターンシップやデジタル人材交流など、幅広い場面で活躍します。