北荷頃の曹洞宗曹源寺に蔵する金色の寄木造りの坐像です。
高さ3.6mもあり、市内随一を誇ります。
安政2年(1855)に当寺19世端道和尚の発願によって造像されました。同和尚は、この悲願成就のために1千体の小地蔵尊を彫刻し、施主に分ち与え、もって布教に努めました。
蓮華座に腰をかけ悠然と半跏し、左手には薬壷(やくこ)を、右手には錫杖を持ってじっと瞑想にふける姿は、慕い来る者に大きな包容力と温かい慈悲の心とを与えてくれます。
眼前に座わると何ともいえず神々しく、心の落着く思いがします。形式と内容のせりあいを越えて生まれた、格調高い流麗な、肉感豊かな美丈夫が、全身をおして慈悲の固まりとなって厚く伝わってきます。端道和尚の悲願は、まさに大慈悲の悲願でした。
なお、曹源寺には同和尚の書いた寺号額が掲げられています。雄渾な墨跡はスケールの大きい同和尚の人柄を偲ばせます。
<長岡市指定文化財>