像高33cm余の小像で寄木(よせぎ)造りです。漆箔(しっぱく)仕上けで、表面がやや荒れて衣文の美をそこなっています。目は玉眼(ぎょくがん)で半眼、思索の面持で、智拳印(ちけんいん)を結び結跏趺坐(けっかふざ)しています。
口が小さくかわいらしく、おだやかな相で全体を若々しくしています。髪は一つに束ねられ、額には自毫(びゃくごう)が植えてあります。両腕をやや突き出して印を結んでいるので、両肘の抱える空間が一層大きくなり、また両肘のなす二等辺三角形と両腿のなす三角形とが底辺と頂点とを逆に重なり合い、その織りなす線を極めて美しいものにしています。
表面の荒れにもかかわらず豊かな感じのする手がたい作品で、室町時代の作と思われます。
白毫・・・仏の眉間にある白い巻毛。
玉眼・・・像の眼の部分に水晶を使ったもの。
<長岡市指定文化財>