栃尾は戦国武将「上杉謙信」が長尾景虎(ながおかげとら)と呼ばれていた最も多感な青年期を過ごし、旗揚げをしたところです。景虎は瑞麟寺(ずいりんじ)五世「泰廉門察(たいれんもんさつ)」和尚の下で学びました。その後瑞麟寺は焼失してしまいましたが、それを継承する形で常安寺(じょうあんじ)を建立し、その守護神として「秋葉三尺坊大権現(あきばさんじゃくぼうだいごんげん)」を秋葉山上に遷宮しました。
秋葉三尺坊は、全国に信者を持つ火伏せ(火坊)の神様です。お祭りはこの三尺坊の遺徳をたたえ、命日にあたる7月24日に毎年行われます。
<秋葉三尺坊とは>
秋葉信仰の祖、三尺坊は信州に生まれ、諸国修行後、岩野蔵王(栃尾の楡原)にいたり修行を続け、不動明王の行法を修め、飛行自在の神通力を得たといいます。このとき現れた白狐にのり、空中を飛び遠州(静岡)に降り立ちました。三尺坊は秘法を会得したとき、「わが名を唱えるものあれば、七難を消滅する」と叫んだことから、一山の衆徒は驚き恐れ、秋葉の地に社を建て、これを祀ったといわれています。
<祭りの様子>
ほら貝の音とともに祭りが始まり、松明を灯す修験者に先導された行列が会場に入り、修験者による降神の儀式が始められます。
宝弓で四方を射る破魔矢の儀、神剣の儀が行われ周囲を清め、結界中央の祭壇が点火されると祭りの熱気は最高潮になり、秋葉真言と火生三昧秋葉の火祭り秘法が繰り広げられます。
紅蓮の炎が静まる頃、火渡りが始まり、善男善女が無病息災、家内安全を願い合掌して渡ります。
また、市街地では前日夜から「うま市」が開催されます。かつては越後の三大馬市に数えられるほどの賑わいでした。現在、馬の姿はありませんが、23日の夜にはたくさんの露店が並び、家族連れなど多くの人で賑わいます。